人事労務

Q 就業規則は職員に開示しなければいけませんか?

就業規則は、事業場に備え付けておく義務があり、職員がいつでもその内容を確認できる状態にしておかなければなりません。具体的には、以下のいずれかによって周知をすることになります(労働基準法第106条第1項、同法施行規則第52条の2)

人事労務Q&A①常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付けること
②書面を労働者に交付すること
③磁気テープ、磁気ディスクその他これに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること

Q 1ヵ月に3回遅刻をしたら1日分の欠勤として取り扱うというルールは問題がありますか?

遅刻早退についてその時間に比例して賃金を減額することは違法ではありませんが、遅刻早退の時間に対する賃金額を超える減給は制裁とみなされます。したがって、労働基準法第91条に定める「減給の制裁」に反することはないか、その運用方法を検討する必要があります。

人事労務Q&A労働基準法第91条
制裁規定の制限 : 就業規則で、労働者に対して減給の制裁を定める場合においては、その減給は、1回の額が平均賃金の1日分の半額を超え、総額が1賃金支払期における賃金の総額の1/10を超えてはならない。

仮に、1日の所定労働時間が8時間の職員が、1日に1時間の遅刻をしたことが3回重なった場合、合計3時間分の賃金をカットすることは問題となりませんが、1日分である8時間の賃金をカットしてしまうと、8時間から不就労分3時間を引いた残りの5時間分の賃金カットは減給の制裁にあたり、「平均賃金の1日分の半額を超えることはできない」という制裁規定の制限を超えることになり、超えた額については法律上無効となります。

Q 試用期間中の職員も雇用保険・社会保険に加入しなければなりませんか?

人事労務Q&A 遅刻早退についてその時間に比例して賃金を減額することは違法ではありませんが、遅刻早退の時間に対する賃金額を超える減給は制裁とみなされます。したがって、労働基準法第91条に定める「減給の制裁」に反することはないか、その運用方法を検討する必要があります。

Q 職員が午前中の半日休暇を取得した日に定時以降の残業を行った場合、割増賃金の支払い義務はありますか?

人事労務Q&A 割増賃金は、「法定労働時間(労働基準法上の労働時間=1日8時間、1週40時間※1週44時間の特例措置あり)」を超過した時間帯に対して支給されます。午前中に半日の有給休暇を取得した場合には、実際にはその時間については労働を伴っていませんので、仮に「所定労働時間(会社等で定めた労働時間)」を超過したとしても、実労働が法定労働時間内であれば、割増賃金の支払義務は法律上生じないことになります。
ただし、就業規則等で定時以降の労働に対して割増賃金を支払うことを定める規定を設けている場合には、支払う必要があります。

Q 職員がインフルエンザに感染したため休業を命じました。休業補償を支払う必要はありますか?

人事労務Q&A 医療機関の自主的な判断で休業させる場合(医師による指導等の範囲を超えて外出自粛期間経過後などに休業させる場合、熱が37度以上あることなど一定の症状があることのみをもって一律に職員を休ませる措置をとる場合等)には、「医療機関等の責に帰すべき事由による休業」とみなされ、当該職員に休業補償の請求権が発生します。医師・保健所等による指導により休業する場合には、不可抗力とみなされ休業補償の請求権はないと考えることができます。
※労働基準法第26条 休業補償:使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の60/100以上の手当を支払わなければならない。